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2015年8月30日日曜日

親子英語を止めた理由。

いちご三兄弟さんから質問をいただきました。
「親子英語」なんていうブログのカテゴリーもあるぐらい、一部の親御さんに見られる子どもへの英語教育熱。アツかったですねぇ・・・当時の私・・・(遠い目)
ということで、なぜ英語教材・絵本・プリスクール・英語教室(プライベート)と軽ーく100万以上はかけた英語をすっぱり止めたのか?その理由です。
ちょっと長いですよ(^_^;)

その前にこちらをじっくり見ていただきたいのですが、

二ヶ国語しか話せないという子供は珍しいですね・・・
教育の優先順位
英語を使わない英語教育

どんぐり倶楽部で「英語」というキーワードを入れると他にも出てきます。
ここに書かれていること、危険性が全てです。
もちろん、
「どんぐり倶楽部のホームページに書いてあったから。」止めた、のではありません。

理由1:英語にかける時間を温かなお母さんの話す言葉(母語)で子どもと過ごしたい。深い体験を共有したい。

実は長男のころから、早期英語の危険性には気付いていなくても、
「幼児・児童英語の効率の悪さ」
だけはずっと感じていました。
だって、中学ですぐに習得できることを幼児英語では何年もかけて、親が語りかけたり、読み聞かせたり、映像を見せたり、音源を「かけ流し」たりしてやるんです。次男は長男同様言葉が遅かったにも関わらず、私は実験的に英語での語りかけをやってしまい、長男以上に発音不明瞭で発語も遅い状態になり、語りかけを止めた途端改善した、ということがありました。
また私自身、音に敏感でかけ流しをすることが苦痛でしたし、このただ英語をしゃべりまくっている音のせいで、
・野菜を切るリズミカルな音、風が家の中を通り抜ける音、などの日常生活の大切な音がかき消されていること
を非常にもったいないと気付き、語りかけとかけ流しは3歳ぐらいで止めました。

理由2:私は日本人を育てている。

当時は
「英語の語感とか、ネイティブが持つ感覚を自然にもってもらえたら。」
なんて、恥ずかしいんですが、勘違いも甚だしい、こんなことを思っていました。
私は一体、何人を育てているの?と。情緒の安定ももちろんですが、母語で深い思考ができなければ何ケ国語操れても薄っぺらい人間もどきにしかなれない、と目が覚めました。
糸山先生もおっしゃっていますが、
2010.2/5...読売新聞・夕刊7面「松任谷由美・プレミアム対談~yumiyori 話~第19回森英恵さん」
森:ありがとう。同感のところありますでしょう?小沢征爾さんとも、パリでおしゃべりしていたことがありますけど、やっぱり「ルーツが大事な んだよね」って。
  若い人たちには、世界で仕事をするなら、まず、自分が生まれて育った国のものを自分のものにしてから出ていくのがいい、と。それは先輩た ちが、伝えていかなければと思います。
memo...日本人の個性(ある意味の優秀性)の原因は風土にある。特に「島国 であるこ と」と「四季を楽しめること」が主因と考えられる。繊細な環境を感じることができる環境と、それを味わい評価までする風習が繊細な感味力の発 達を導いた。 この感覚(反応回路)が遺伝的に継承され、繊細な感覚を身に付けることが出来たのだろう。しかしながら、その環境を感じることが出来ない(遊 びや勉強も含 めた)生活形態になってしまっている現代は、相当意識しないと(上手に制限しないと)、種の日本人としての個性の継続は非常に困難な状態と なってきてい る。
※簡単に書くと「感味力」を守る(遊びや勉強も含めた)生活をしなければ、日本人として、さらには人間として、極めてアブナイぞ。...マジ で。
以上、日々雑感より。

一年という短い期間でしたが、英語圏で生活したことがあります。いわゆる欧米人との決定的な違いを感じたのは、その様々な感覚の大雑把さ。(もちろん非常に日本的な繊細なイギリス人、とかいらっしゃいましたが、そのような方にお会いするのことはとても稀でした。)。日本人で日本に住んでいることの最大の利点を活かす努力をしなければならない、と思いました。日本人が嫌う「曖昧さ」もこれからの世界にとても必要な考え方だと個人的には思います。

私にとって英語は第二言語です。だから英語で語りかけてもそれは「私の言葉」として自分自身には響いてきません。そこまで使いこなせていないからだけかもしれません。ですが、海外生活中に出合った、英語を第二言語として使っているママ達も、場合によっては子どもへ英語で語りかけている方もいらっしゃいましたが、非常に限定された英語を使っていました。ネイティブのママ達の語りかけとは明らかに違います。そんな薄っぺらな言葉で繊細な日本人としての感覚を育てることは私にはできません。

理由3:イメージと体感がリンクしない語学学習(フレーズや単語の暗記など。)は暗記という単純作業の強化でしかない。

長男は4年生当時、本人が受験したいから、と安易に英検4級を受験させたり、ラジオの基礎英語1を聞いて音読を一緒にしたり、英語を読むための簡単な英語絵本の音読をさせたりしていました。時に音読のスピードを競ってみたり・・・(この勘違いさ加減のひどさ。あぁ、恥ずかしい。)。この「させる」の弊害の大きさと、もともと暗記やスピードが得意だった長男(次男も同じ傾向があります。)のこの抑制すべき特性を伸ばすことになってしまいました。伸ばす、というと聞こえがいいですが、要は「感じない」・「できればいい」という、雑で人間らしい判断力の欠如という、非常に危険な力を育てていた、ということです。

細々と挙げれば他にも理由はありますが、大きくは以上の3点です。
「語学好き」なのは私。私の趣味のようなものです。(他言語も少しかじっています。)その趣味に付き合わせて子どもの大切な力を奪うわけにはいきません。「一緒に楽しめたらいいなぁ。」なんていう私の安易な考え、子どもに何かを「してあげている」という思い上がり、が私に親子英語という道をダラダラと進み続ける「言い訳」を与え続けました。
英語という本来のテンポ(ペース)と合わない言語を小さな時からやらせた結果、ほんのちょっとしたきっかけで自分の本来のテンポを見失う息子達を見ていると、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

ちなみに幼児・児童英語を始める親御さんに多い、「先取り」「発音」などは最初からまったく望んでいませんでした。
それはほぼ英語ができなかった私が夫の海外転勤が決まり、英語を勉強せざる得ない状況になり、当時2歳の長男を預けて働きながら、

・数日で読める中高の英語文法の本で簡単に復習
・六か月間毎日NHKラジオの英語の講座を暗記するまでシャドーイング・ディクテーション

をして

・サバイバル英語を身につけ、ママ達との会話ではあまり不自由を感じなかった
・発音も自分の声を録音するなどして自分なりにトレーニングをして、完璧ではないけれどそれなりの発音に短期間で矯正できた

という実体験から必要性は全く感じていませんでした。必要があればいつでも中高英語でやり直しができます。
更にシステマティックに英語を学ぶなら「Donglish」は本当におススメです。中学3年間の英語のキモが約10時間ほどで学べてしまいます。我流ではさすがにここまでキチンと文法事項を押さえてはいませんでしたが、なかでも語句順訳は英語を使っているうちにそのように頭の中で日本語→英語へ自動変換していましたので納得感も大きかったです。

英語が得意な夫を見返したい(笑)ためだけにTOEIC受験をして、海外渡航前は505点だった点数を対策本を徹底的にすることで半年で850点に上げました。効率的なテスト対策で、必要ならば必要な時に短期でできる、という体験です。(900オーバーが目標でした(T_T)自慢でも何でもなく、テストの傾向さえ知って対策すればあとはやる気、だけです。誰でもできます。)

ここまでは私の個人的な「親子英語」を止めた理由、でしたが、いちご三兄弟さん(またはご主人)がお子さんに英語をやらせよう、と思った理由があると思います。

いちご三兄弟さんのお子さんは公文英語をされている、とのこと。
公文英語(英語だけじゃありませんが)の特徴は膨大なプリントの量ですよね。
当然宿題も持って帰ってきます。

・その宿題をする時間また、させる(宿題をするようにお子さんを仕向ける)時間で得るもの、失うものはなんでしょう?

・なぜ「今」英語をやらせたいのか?

・公文の英語教材をすることで受ける好・悪影響(教材の分析、ですね。)

どんぐりに興味を持って下さった方にお話しをする機会が度々あるのですが、お母さんよりもお父さんの方が「どんぐりでどんな大学に入った子がいるのか?」など目に見える結果とか、感情(直感、といった方が近いかな。)よりも頭でキッチリわかってからでないと(自分なりの理論で検証してからでないと)受け入れるのに抵抗が強い方が多くいらっしゃいました。・・・皆さん、「壁」となるものは一緒のようですよ(笑)

ケンカになってしまうとついつい、いらんことまで責めてしまうことになってしまいますから、(経験者は語る??(^_^;))深呼吸、深呼吸。
大切な娘さんの将来を思う気持ちはご夫婦同じなのですから。

最初にも挙げましたが、止める根拠はどんぐり倶楽部のホームページで検索すれば出てきます。でもそれをすべてご主人に伝えても、きっと納得はされないでしょう。そこにはご自分の経験や娘さんの反応が入っていないからです。公文英語に取り組む娘さんの様子がどうなのかわかりませんが、特に目の前の娘さんの反応(言動)を挙げられてそれでも違和感を感じないようならば、ご主人は置いておいて、お母さんと娘さんだけで作戦を立てる、とか作戦変更~♪もアリ、かもしれませんよ。公文をやっているフリ、とか。

非常に長くなりました。
私の個人的な経験ですが、参考になることがあれば幸いです。

オマケ
この時期に、毎年思い出すこと



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3 件のコメント:

  1. acornさん
    ありがとうございます!
    すごーく詳しく書いて下さって…
    しっかり読み込んで、今じゃなくても大丈夫!と主人に伝えます!

    acornさんの体験もすごく参考になりました。
    大人になってからでも十分というモデルを示していただいて、勇気づけられました!

    環境設定(これが一番の難関かもです…)と、どんぐりで改善していく娘の様子を見てもらえたらと思います。
    公文は、とりあえず添削を申し込みたいから、と、休会させてもらいます。
    じゃないと率先して宿題に付き合うのでごまかせないんです(ー ー;)
    娘はもう面倒くさいと思ってるんですけどね…

    本当にありがとうございました!
    がんばります!

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  2. いちご三兄弟さん、長ーい記事にお付き合いいただきありがとうございました。なによりも娘さんの「面倒くさい」と思っている様子が答えなのかな?と思います。ご主人が良き理解者となってくれることを願っています。(男の人って自尊心をくすぐられるのに弱いようですから、今回のことに関わらず「あなたのこの判断が私を後押ししてくれたおかげで、娘ちゃんの笑顔が多くなったし、私も緊張がとれてやさしくなれたわー。ありがとうぅぅぅぅ!!!」なぁんていろんな場面で伝え続けると、少しづつ軟化することが多いですよ。ファイト、です!(^^)!

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  3. acornさん
    主人への対応のアドバイス、参考になります!
    最近ちょっとギクシャクしていたので、できるだけ笑顔で接したいと思います(o^^o)
    ありがとうございます!

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